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<   2016年 03月 ( 7 )   > この月の画像一覧

ベンチャーとしてのクラムボン

昨日は、昨年の6月以来のクラムボンのライブへ。クラムボンは、かれこれ20周年を迎えている3ピースバンドで、ボーカルの原田郁子、ベースのmito、ドラムの伊藤大助という個性あふれるメンバーが、ジャムってるシズル感のある音作りを楽しんでやっているところが特徴なんだと思う。
imaginationという少し懐かしい曲でスタートしたライブは、いつも通りスタートしたと思ったのだけれども、確かに、会場案内を大助がしていたり、いつの間にか郁ちゃんのキーボードが変わっていたり、今思えば少しいつもとは違ったのかもしれない。
そして、3曲終わったところで、個人的にはライブ初めての体験を。アーティストを議長団として、観客が株主総会という異例の20分がスタートする。
mitoが丁寧に20年間、ワーナー、コロムビアというメジャーレーベルでお世話になったことを、そしてその中で、プロデュース、プロモーション、セールスといった伝手を学んできたことを朴訥に伝え始める。話は徐々にファイナンスの話へ。CDが売れた時にアーティストにはどれほど戻ってくるものなのか?mitoからすれば、その割合が少ない、という話がしたかったわけではなくて、自分たちがやりたいことをやるために必要な金額があるのだろう。例えば年間、CDの制作費とか、音源の機材とか、そして自分たちの生活の費用とか、それを補うために今の仕組みの中では、しかも2016年という既存の音楽業界のビジネスモデルが変わってしまっている中では、今のままの方法でそれを実現することは不可能だと。
郁ちゃんが、それを受ける形で、だから、CDは直販を。そして直販会場としてのライブを自分たちで会社を立ち上げてやっていこうと決めたと打ち明ける。さらに、売ってくれる先も是非紹介してほしいと。
もちろん、アーティストからこういう話を聞きたくないとか、ライブでは、音楽を聴きたい、という話はその通りだとも思う。でも、それにしても、なんと潔いというか、等身大の自分たちをさらけ出して、それでも、好きな音楽を作っていきたいということを、40歳を超えて改めてライブの場で伝えられることは尊敬できる姿勢だと思った。

もちろん、「戦略」は色々あると思うし、グローバルで売れれば違う未来もあるのだろう。だけどそのためには、やっぱりプロモーションだったりクリエイティブなこと以外にもっと時間を使うことになるのだろうし、仮に優先させることが、自分たちの音楽を限りなく広げていくことではなくて、まず作りたいものを作りたい、いわば職人としての境地に立つなら、それは一つの立派な「戦略」だと思う。有名シェフとしてやっていくのか、チェーン化していくのか、経営としては後者の方が秀でている面もあるのかもしれないけれども、でも、全員がその「戦略」を取る必要はないのも事実だと思う。

正直、ビジネスの世界で言えば、企業をスピンアウトして独立するという話は全然珍しくないし、それでうまくいく事例も沢山ある。だけど、彼らの世界では本当に清水の舞台から飛びおりる覚悟というか、前例があまりないことなのだろう。その意味でも、この2016年というスモールビジネスが大企業並みの武器を持って戦える時代という背景も踏まえて、クラムボン株式会社(実際には有限会社トロピカル)の実質株主のファンにはある種の責任すらあるような気もしてくる。

いつもよりも、とってもバイタルサインが心に響いたライブでした。

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by myaquarium | 2016-03-27 11:01 | music

徳を積む

あの人は仕事ができない。という話になる時には、2つの背景があると思う。ひとつは、結果が出ない、という本当の意味で仕事というか、成果が出ないという事実。そしてもうひとつは、やり方が悪いという揶揄を含めた議論。そして多くの場合、前者だけで大きな問題になる場合は、トップマネジメント層だろう。確かに成果が出なければ、結局のところ、最終的に組織は疲弊するし、どういう形であれ、痛みを伴う改革が必要になるからだ。一方でよくある話は、後者で、突き詰めれば、「徳がない」という話なんだと思う。それは上司であれ、部下であれ、同じ論点に収斂する。

先日の全日空のシステム障害時に、現場では、紙での発券、搭乗後の手動での人数確認など、デジタルでの障害が起きた結果、アナログというか、昔のやり方を利用して、臨機応変に出来る限りのことをした姿勢に、賞賛の声が出ていた。恐らく、そういった場合に備えたマニュアル及び現場では訓練も行われていたからこその取り組みなのだろう。
私自身も、搭乗してからの最終チェックで、不具合があり、機材を移し替える、といったことに2度遭遇したことがあるが、全日空の対応は本当に見事で、確かに時間は遅れるし、いいことはないのだが、現場のキビキビとした動きと、明確な乗客へのアナウンスやコミュニケーションには逆に、自分だったらあるいは自分の会社だったら同じように動けるのだろうかと?むしろ、反省というかそういう思いがしたものだ。ただ、たまたまだとは思うのだが、他のエアラインで同じことがあった時には、機長と整備士が乗客へのアナウンスを行い、整備士は単に表示計に不具合があるだけで実態としては問題がないので、飛行に支障はないと思っている、とそして、機長はそれでは不安なので現在調査をしている。みたいな説明を繰り返していてなんだか余計に乗客側が疲れるみたいなことも一方であった。要するに客からすれば、内部事情はどうでもいいし、誰の責任というよりは、その航空会社の機材に乗っているのであって、そっちの会社の中の都合など関係ないのだから、飛ばないなら飛ばない。飛ぶならいつどうなるかを知りたいだけなのだ。そして、飛ばないならその後の振り替えなどの話ができればそれで良いのだ。にもかかわらず、そんな状況が継続している中で、とりあえず1千円分の食事券を配布する、みたいなアナウンスが再度流れて、混乱の極みへ。。。1千円の食事券の問題ではないのに、そういう対応が尚更、感情を逆なでする。

規模は色々だが、同じことが起きても、その対応自体に「徳」があれば、結果的に損害は被っても納得するということは起き得るし、そこに「徳」がなければ、感情論として嫌いになってしまうし、そうなるとかなり問題は厄介だ。嫌いになった食べ物を好きにすることは結構難しい。なぜなら、そもそも嫌いだから、もう一度食べようと思わない。だから好きになるチャンスが訪れない。人にしても、商品にしても同じ話だと思う。

では、「徳」とはなんなのか。情けは人のためにあらず、自分のためだ、という話にどこか通ずる視点を持てるか?ということなのだろう。店員さんへ横柄な態度をとる。でも、その店員さんだって自分のお客さんかもしれない。その表裏一体の物語を、ビジネスライクな合理性ではなくて、人と人との関係値の問題として考えられるかどうか?がとても大切なことだと思う。部下や上司に対する対応も同じなのだろう。それはすべからく、人に対する対応に結果として差が出ないことにつながる。ただ難しいのは、この「徳」がいくらあっても、ビジネスの上では、必ずしも「成果」が出ることにつながらないことが厳然とあることだ。もちろん、両者があればいいが、成果を出すために徳が必要かと言われれば、あったほうがいいけど、なくても成果が出ることはあると言わざるを得ない。極論すれば、デイトレードに成功するために、徳は必要ないと思うからだ。

ただ、自分も含めて、ほとんどの人は、「徳」を積むことは、間違えなくお守りになる。成果は求めなくてはいけないけれども、貯金箱を持つように、「徳」の貯金箱に人知れず貯金できることは、価値があることだと信じたいし、これは、グローバルで役に立つ価値観だと感じる。

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by myaquarium | 2016-03-26 10:15 | think

M&Aで大切なこと

M&Aで大切なこと。それは止めることが出来るカードをきちんと持っておくことだと思う。

兎角、買い手側が止めるカードを持っておくことはもちろん大切。ブリヂストンのタイヤ販売大手ペップ・ボーイズの買収断念などは非常に素晴らしい判断だと思う。M&Aにおいては、という意味だけではあるが。M&Aが失敗する理由のほとんどは価格が高すぎることから生じるように思う。だから、思っていたほどでないなら止めなくてはいけないはずだ。だけど、これが難しい。特にFAをつけていたり、下手に業績見通しに含まれていたりすれば尚更だ。ただ、思い返せば、買い手側にとって、M&Aは所詮水物だと、始めた時はわかっていたはずだ。だからこそ、最後の最後まで、カードとして、買収できなかった時どうするか?ということは考え続けてなくてはいけない。
一方でこれは、売り手側も一緒だ。シャープの例を見ていると、どこか決定的に間違った段取りになってしまっているような気がする。尤も、2016年の3月21日時点では、鴻海の方が結果的に交渉を有利に進めているようだ。なぜなら、もはや買い手として鴻海しか残っていない中での交渉をしているからだ。しかし、報道通り偶発債務が問題になっているのだとすれば、そもそも鴻海側のDDの甘さというか、もっというと、買収した後のシナジー含めた見積もりのずさんさがそこにあるような気もするし、業績見通しが出ないと進められないというようなことをこの時点で言っていることから、買った後のビジョンが明確にあるのか若干心配になる。足元の業績はもちろんとても大切だが、本当に重要なのは、ここまで来てれば、足元1〜2ヶ月の業績ではなく、その後の再生プロセスが順調に進められるかどうかに全てはかかっていると思う。

突き詰めれば、もしかすれば、それぞれの事業を必要な人に売却していくプロセスの方が、色々な意味で全ての関係者が結果としてハッピーだったのかもしれないと感じるし、それは今からでも、そうなのかもしれない。中途半端なM&Aは結果として関わった全ての人を不幸にする気もする。ビジネスは確かに情も大切だが、それ以上に、明確なビジョンが必要な気がするし、今回のシャープの件には、大義がお互いにない気がするので、どうもうまくいかないように思えてならない。

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by myaquarium | 2016-03-21 16:04 | think

数字

数字に強いと周りにはおそらく思われている。本当に数え切れないくらい計算間違いはしてきたし、今もするし、きっとこれからもするんだと思う。ただ、とりあえず今、数字に強いか?と言われれば、強いと思うし、強くあろうと思う。
もちろん、ビジネスでの話なので、この数字に強い、という意味は、暗算がすごいとかそういう話より、数字を読み解くこと、そして、数字を使って議論ができる、ということだと思う。

社員がとても忙しくて人手不足だから、人を増やそう。

というごく当たり前の意思決定とその判断基準がそこにある時、

とても忙しいってどういう基準なんだろう?
人手不足ってどういうレベルなんだろう?
実際にどの程度足りないんだろう?

この辺りまでのセンスは事業責任者には求められると思う。

実際、今の状況でそもそも無駄なことはないのか?
タスクの整理をすることで凸凹を直せないか?

業務改善による方策まで考えて実行できると、ちょっと頭が抜けたマネージャー。

そもそも、今の利益水準から、人を増やして大丈夫だろうか?
人ではなく投資することやアウトソーシング含めて少ない人員で回せる体制で事業化できないか?
出来ないとすれば撤退基準はどこだろう?

とかとなると経営視点なんだろう。

というそれぞれのレベルで、それぞれ数字で考えられるかがとても大切だと思う。因数分解というか。
その繰り返しが、突き詰めれば数字に強くなることだし、数字を使うことなのだと思う。

もう一つ、ベンチマークという自分の持っている価値観を相対化できることも大切かなと。つまり、例えば儲からない、という結論に至る前に、では、いくら儲かっていれば儲かっていることになるのだろうか?ということを持っておくというか。もちろん赤字じゃ話にならない、ということはあると思う。だけど、ではいくら儲かっていればいいのか?ということは大切だと思うし、その絶対額が達成できないような事業は、始めてはいけない気がする。そしてその絶対額がベンチマークとして相対化できているか?という視点も大切だと思う。

事業がうまくいくかいかないかは、運もあるし、熱意も大切。だけど、世の中で必要なことは、大成功だけではない。小さな成功の積み重ねも大切。そして、どちらかといえば、平凡なそういう小さな成功を支えている基本原則は、「数字に強い」ということな気がする。だから、どのレイヤーのビジネスパーソンも、数字に強いにこしたことはないと思う。

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by myaquarium | 2016-03-15 20:39 | think

資料作り

比較的、パワポで資料を作ることが多い。かれこれ10年以上、説明資料を作ってきた。

途中、コンサルにいたので、その資料自体にある程度お金を払ってもらうということも経験できた。それは本当に大きな経験だったと思う。それも踏まえて。

良い資料とは、何か気づきがある資料だと思う。作り手からすれば、あれも言いたい、これも言いたい。読み手からしたら、もしかしたら、そこに自分の求めていた答え、そのものが描いてある資料が、良い資料なのかもしれない。

もちろん、作り手のアレも言いたい、コレも言いたいは、排除しなくてはいけない。結局は、読み手がどう感じるかが大切だから。確かに、言いたいことははっきりしていなくてはいけない。一方で、読み手の意に沿った資料であるひつようがあるかというと、それもちょっと違う気がする。

仕事で使う資料は、小説のように「ざらっと」した何かを残す必要もないだろう。だけど、相手が積極的にこれはなんだろう?と思わせる、そして、なるほど、と思わせる資料が、やっぱり良い資料だと思う。

その意味では、考えなくても、良いような資料は、私は良い資料ではない気がするのだ。少し落ち着いて話も聞いてみて、なるほど、と思える資料。そういう資料をやっぱり目指してしまう。意地悪なのかしら。。。あるいは、ちょっと考えてみて質疑もしてみて、結局、ついてこれないとしたら、読み手の問題もどこかあるような気がするし、それに付き合っていては、本質を見失うこともある。

もちろん、ごまかす資料もちょくちょく作らなくてはいけないので笑、いつもそんなに正論では済まされないのだけれども。でもやっぱり、資料は、作り手の真摯さと、読み手の頭の良さ、の2つがないと、活きてこない。

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by myaquarium | 2016-03-14 21:14 | think

MATTARI

久々にMATTARIという藤沢にあるカフェバーでランチをした。一人でここに来ると、ついつい、誰かと待ち合わせをしているような気持ちになる。高校生の頃には多分来てなかったけど、大学に入ってスタジオには入る前、決まってここで待ち合わせをしてた。お昼を食べながら、コーヒーを食べながら、どうでもいい話で盛り上がっていた。
今日も、少し若いグループが楽しそうにどうでもいい話で盛り上がっていた。相変わらず料理が美味しいわけでもないのだけれども、でもなんかあったかい空気が流れていて好きなお店だし、何より、思い出が詰まったお店だ。

ある晩、ここでバンド仲間と飲んでいたら、あれよあれよと、高校の友達も含めて、外のロングテーブルを埋めてしまったことがあった。ありそうでない経験だったのでなんかとても印象に残ってる。

藤沢にあったものは結構沢山、今は無くなってしまった、丸井、ハンズ、石上のミスタードーナッツ。でもこうやって懐かしい思い出に浸れる場所があるのは有難い。

やっぱり次はみんなで来よう。そして、スタジオ入って、その後は、ちゃんと予約しておいて、久昇へ行こう。

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by myaquarium | 2016-03-13 22:26 | city

経営判断

便利な言葉だと思う。「経営判断」。一社員が使うのはなんかおこがましい気もする。社長しか使えない言葉という気もするけど、積極的に使ってもいい気もする。
岡本太郎の沖縄文化論の中で、御嶽という神聖な、崇拝する場所に連れて行ってもらったら、なんとそこは何もない原っぱだった、みたいな話が出てくる。宗教としてそのアイデアは好感が持てるけれども、この中心の空白性という文脈の中で、経営判断というこ言葉になってくると、まるで、戦時中の大本営発表のような怖さも同時に感じる。「神の声」という空想になっていないかと。

だけれども、それでも敢えて、「経営判断」は一社員が使うべきだし、意識したほうが良い言葉だと思う。

自分を相対化し、自分のやっている事業も相対化し、会社も相対化して見えてくる「経営判断」は、いつも少しだけ、より良い方向に近づくためのメタファーだと思う。

何よりも、判断をして、前に進むこと。あくまで変化に対応し続けること、そしてそれは結局のところ、生業、ということなのだと思う。

震災の後の復興住宅の話を聞いていて少し違和感があった。海辺の市街地を津波から守るためにかさ上げするのに5年かかった。待ちきれず、高台に家を建てる人が続出。結果的に市街地が広がり、莫大なリソースをかけて出来上がったかさ上げした土地に立つ家はまばらになる。
プライベートな判断の集合体は、果たして、合成の誤謬という話になっていないだろうかと。行政が悪いという話にしすぎていないかと。
経営判断が意味するところ、つまり、変化に対応し続けるという文脈での「判断」は、選択肢をきちんと選ぶことだ。そして、経営判断は間違うと会社は潰れる。残酷に言えば。コミュニティーや、政府だって、その判断が間違えば、最後は滅びる。誰も人がいない場所になってしまう。

個々人の判断にも、行政の判断にも、企業経営にも、「経営判断」つまり、その判断を間違えれば、死んでしまうかもしれない、という視点での判断の意識は、やはり大切な視点だと思う。

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by myaquarium | 2016-03-10 22:58 | think